君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第51章 51
「あ、万理さん?」
『、どうかした?今は…だよね?』
「はい、龍くんのとこです。あの、ご相談があるんですけど」
の言葉に、電話越しの万理のみならず龍之介もそちらを見る。
『うん?』
「いつでもいいので、三日間くらいオフってとれますか?」
『連続で三日ってことだよね?』
「はい。ちょっと、実家に行こうと思って」
『緊急?』
「いえ。全然」
首を振るに実家が本当に苦手なのかとくすくす笑いながら龍之介はスマホで晩ご飯の調達である。
に耳を傾けながら、の食べたくなりそうな食事を探す。
今度は二人でご飯作りたいなぁ、などと思いながら龍之介はスマホを操作。
『そうだなぁ…二か月…うーん、すぐには答えられないな。後でラビチャ送るよ』
「お願いします。あの、本当に急ぎではないので」
『うん、分かってる。十くんと予定合わせなくていい?』
気遣いの塊…!と思いつつ、は大丈夫です。と答える。
二人で行くわけでは無い。単身で実家に一度帰るだけだ。
行けるならば一緒に行きたいが、二人で実家に行くところを取られてしまったらそこで全てがバレてしまう。
『じゃあ、スケジュール調整してみるから。先の方なら融通効くのもあると思うし』
「はい、よろしくお願いします」
頷き電話を切れば、龍之介の肩に頭を乗せる。
そのまま龍之介を見上げれば、微笑み額に口付ける。
「決まった?」
「うん、プルドポークサンド」
「美味しそう…」
「実家帰るの?」
「帰る…っていうか、顔出すみたいな感じだけど」
呟きながら軽く首を傾げ、お墓参り、とぽつりと呟く。
お墓参り?と聞き返せば、は小さく頷いた。
「年に一回はね、お墓参りしてるの」
「俺も、のお母さんに挨拶したいな」
「ふふ、お母さん喜ぶよ」
微笑みながらは龍之介のスマホを覗き込む。
「こっちのハニーマスタードも美味しそう」
「両方頼んで半分こする?」
「するっ」
なら決まり、とサラダも追加して頼み、は龍之介にすり寄る。
こうして人目を気にせず甘えられる時間がは大好きである。