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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第1章 1




「!デビュー作になるドラマ決まったよ!!」

小鳥遊事務所オフィス。
パソコンの前で事務処理を手伝っていた、小鳥遊事務所初所属の女優、は、バンッと開いた扉の音にびくりとしつつ、次の言葉を処理するため目をぱちくりと瞬いた。

「え……」
「混乱してる?ドラマ。しかも主役級!一夜限りのスペシャルドラマだけど、評判次第では連ドラや劇場版になるかもしれないよ!」

資料であろう紙の束をブンブンと振りながらやや興奮気味に話すのは、小鳥遊事務所きっての有能事務員、大神万理。
のデビューを誰よりも楽しみにプレゼンなどをしてくれていた、ほぼマネージャーと言ってもいい存在である。

「え、え……えぇぇぇえ?!!ん?こないだのオーディション、私端役でしたよね?応募したの…」
「そう。そうなんだけど、監督やプロデューサーがの演技見て、ヒロイン役がいいって抜擢してくれたんだよ!」
「光栄すぎませんか…!が、頑張ります!!」
「うん!頑張ろう!俺たちも全力でサポートするから!」

柔らかい笑みの万理にこくこくと頷き、は様々な資料を手に取り目を通す。

「共演者、TRIGGERの十さんなんですね」
「そうなんだよ。TRIGGERの十龍之介、初主演ドラマだって」
「その相手役が私…ってことです、か?」
「そういう事。でもまぁ、コンセプトが純愛×ワイルドって感じだから」
「なんですか、その×の後」
「新任軍人と華族女学生の明治純愛時々胸キュンストーリーだそうだ」
「情報処理が追い付きません…とにかく!頑張ります!」
「うん、来週から動き出すからね!まずは資料をしっかり読んで」

万理の言葉にわかりました、と頷き、は残りの仕事に手をかけた。
が、その手を万理が止める。

「、残りの仕事は俺に任せていいから。本業に集中!!」
「万理さん…はい、ありがとうございます!!」

万能事務員のお言葉に甘え、は事務所を出て寮へ向かう。
の実家は京都。
たまたま東京へ遊びに来ていた時に小鳥遊社長の目に留まり、スカウトを受けた。
当然京都から通うことは難しいので、は現在小鳥遊事務所の寮に住んでいる。



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