君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第43章 43
「、明日は学校?」
「明日土曜日だから学校休みだよ」
「ん?あ、今日金曜か…」
「ちなみに明日はゆっくりできるよ、仕事昼からだから」
そう言われ、龍之介が我慢できたことがあるだろうか。
いや、無い。
「…」
「…ん、行く」
「名前呼ばれただけで全て悟るんじゃないわよ」
「一言にすべて集約されておりまして…」
泊まって欲しいと言われたから、行くと答えただけなのである。
電話するね、とスマホを取り出せば、は万理へと電話をかけた。
「あ、万理さん」
『、お疲れ様。もう撮影終わった?』
「はい!スムーズにいったのでばっちりです!」
『良かった。で、電話ってことは、今日も十くんの所泊まる?』
「さすが。そのつも……」
『万理くん、どういう事かな?』
スマホの奥から問いかける声が聞こえ、万理が息を呑み、もヒュッ、と息を止めた。
『しゃ…社長?!!』
「社長!?!!」
「「社長?!」」
万理パニック。もパニック。龍之介と姉鷺もパニック。
『変わってくれる?』
「変わらないで万理さ…!」
『はい、どうぞ』
「ぐっ…」
『くん?』
「…はい」
『支度を整えたら“すぐに”十くんとうちの事務所に来てくれるかな?』
「え…十さんも、ですか…?でも…」
「」
の様子で、ある程度状況は飲み込めたのだろう。
龍之介がの後ろから声をかけた。
「行くよ」
「でも…」
「全部、きちんと話そう」
「…はい。社長、ここからだと三十分あれば到着出来ます」
『うん、気を付けて帰っておいで』
「はい。失礼します」
スマホを切り、が不安げに龍之介を見上げる。
そんなをそっと抱きしめ、大丈夫だと龍之介は微笑むのであった。
そんな龍之介の笑みに、は頷き、頼りがいのある龍之介に身を預け、胸板に顔を寄せ、すりすりと擦り寄るのであった。
いざ、小鳥遊事務所へ出陣である。