君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第40章 40
カメラマンの言葉に龍之介が問いかければ、は頷く。
龍之介はの鎖骨に口付け、カメラを見、は龍之介の頭に手を這わせて髪を軽く掴んで乱しながらカメラに視線を向けた。
まるで情事直後のような二人の雰囲気に、シン、と周りは静まり返った。
「おっっけー!完璧!最高!!写真終了!!」
「ありがとうございました!」
「ありがとうございましたぁ」
監督の声にハッとして、スタッフたちは盛大に二人に拍手を送る。
ほっとしたように二人は起き上がり、顔を見合わせ微笑みあった。
「お疲れ様」
「十さんも。CMも頑張りましょう」
「ホント二人良かったよ。息ぴったりだし。あ、写真チェックしよっか」
「はい」
二人でバスローブを着込み、モニターへと向かう。
万理からカフェラテを受け取り啜れば、冷えた体にミルクが心地よかった。
「どれも良いと思うんだよねー…絞れない」
画面に並んだ写真を眺めながら、監督は苦笑する。
「選ぶのは本部の方なんですか?」
「そうそう。これをデータで送って、会議で決めるんだって」
「へぇ…どれが選ばれるかドキドキですね」
「あとで事務所にもデータ送るから、発表後なら別ショットもあるよーってSNSに出してもいいよ」
「ありがとうございます。この十さんの表情めちゃくちゃ最高なんでプリントして引き延ばして飾っておこうと思います」
モニターを指さし微笑むに、自分じゃないんだ?と監督に笑われる。
「自分の顔は鏡でいつも見れるんで」
「なるほど?」
「俺だとこれかなぁ、ちゃんが可愛い」
「十くんも自分基準じゃないんだ?」
「ちゃんと一緒ですね。自分の顔は見慣れてますから」
くすくす笑いながら監督はスタッフに指示し、二人が選んだ写真をプリントアウトしてくれる。
「ひとまずこれどうぞ。事務所で宣伝しといて」
「え、ありがとうございます!嬉しいです!」
「ありがとうございます。受付に飾ってもらいます」
写真を受け取り、嬉しそうなに龍之介も微笑み、それぞれマネージャーに預けるのであった。
「さて、撮影順調だし、少し休憩しよっか!」
そんな監督の声に、全員で返事をし、各々動き始めるのであった。