君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第39章 39
「さん入りまーす」
「よろしくお願いします!」
「十龍之介さん入りまーす」
「よろしくお願いします。ちゃん、よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします。十さん」
自然と二人で並び、辺りを見回す。
「スタジオ暖かそうだね」
「はい、寒いの苦手なんで助かります」
「そうだった。布団一枚買い足したもんね」
「お陰でぬくぬく寝れます」
小さく話し合いくすくす笑う二人。
そんな二人を遠めに見る姉鷺と万理。
「十くん、大丈夫かな。理性持つかな」
「何、そんなやばいの?」
「やばいです。の可愛さが最大限引き出されてます」
「…やばいわね」
呟きながら姉鷺は龍之介を呼び寄せる。
「龍、理性は大丈夫ね?」
「気を引き締めて」
「え?はい…大丈夫、かと…思いたい、です」
姉鷺と万理の言葉に、相当な代物に違いないと予感した龍之介。
に対する堪え性のなさは自覚済みだが、仕事モードをも凌駕する勢いなのか…?
そんな事を考えていれば、そろそろ始めると声がかかる。
もう一度、理性!!と姉鷺にビッと言われ、龍之介も軽く頬をたたきセットに上がろうとした瞬間、周りのざわめきと共に視線をそちらへ向け、瞬時に悟った。
「…やばい」
透けたベビードールの中に見え隠れする細い腰、華奢な身体。
大きすぎない、けれど柔らかさ天下一品なその胸は大胆なベビードールのせいで強調されている。
を愛してやまない龍之介にとってはストライク中のドストライクである。
「十さん、セット上がってくださーい」
「あ、はい!」
スタッフに促され、龍之介がセットに入ればもゆっくりと近付いて来る。
「…ちゃん」
「?はい、十さん」
「が、んばろうね」
「ん、頑張りますっ」
そんな 可愛い 顔 しないで っ
大変である。理性が大変である。
そんな龍之介をよそに、スタッフが近づき、軽く周りのセットを整えて二人をベッドに座らせる。
いざ、撮影開始である。