君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第37章 37
「へ、ちょ、“つなし”さん!」
「龍!」
少々強めに苗字を強調し、姉鷺もまた嗜めるように呼べば、龍之介は付き添いが紡だとようやく気付いた。
「うわぁあ?!ご、ごめん!久しぶりにちゃんに会えると思ったらつい!」
「を可愛がって頂いてありがとうございます。ですが…」
「ほんっとごめん!」
「私は構いませんけども。TRIGGERファンですし!TRIGGERはファンの恋人ですし!ね!紡ちゃん!」
「ちゃんがいいなら、まぁ…」
慌てふためく龍之介と、フォローになってるんだかなってないんだかわからないに、紡は首を傾げながら頷く。
「あらやだ!私としたことがコーヒー準備忘れたわ!小鳥遊さん、ちょっと買いに行きましょ!」
「え?」
「ほら、ちゃんの好み知ってるの貴女じゃない!」
本当はノンシュガーエキストラフォームのカフェラテが好きなことは知っている姉鷺だが、すっとぼけながら紡の背中をぐいぐい通す。
“龍に説教しといて”
すれ違いざまににそう囁き、姉鷺は紡を引き連れて出て行ってしまった。
パタンと締まった会議室は防音。
ならばやることはひとつだ。
「龍くん」
「はい、ごめんなさい」
「罰として、ちゅーしてください」
「へ?…んっ」
しょんぼりしているところにちょっと厳しめな声をかければ、龍之介はさらに縮こまる。
は龍之介にそう呟くなり、近づき彼の襟をつかんで引き寄せ口付けた。
「…」
「ん…もっと…」
「…ん」
「ぁ」
くちゅりと舌が絡まり、龍之介はの腰を引き寄せ、そのまま机に押し倒す。
「こら、誰か来たらどうする、んぁ…」
「姉鷺さんと小鳥遊さんしか入ってこないよ」
「ん…ちゅーだけ、ってば…んぅ」
スカートの裾から手が這いあがり、びくりと腰が揺れ、は龍之介を見上げる。
「あ!いけない!お昼まで買い忘れてる!行くわよ小鳥遊さん!五分で帰ってこれる所にキッチンカー来てるから!」
会議室の外から聞こえた声に二人は顔を見合わせる。
「五分だって」
「じゃあ、四分キスしよ?」
なんて可愛いお願いなんですか?龍くん。
等と一人思いながら、は微笑み龍之介の唇に吸い付くのであった。