君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第37章 37
翌日。
新たなドラマの打ち合わせへとやってきたは、付き添いが万理ではなく紡であることに驚いた。
「紡ちゃん!」
「おはようございます、ちゃん。今日は万理さんがIDOLiSH7の方を勉強したいとのことで、交代してみました」
「嬉しいよー!今日はよろしく!」
「こちらこそ。では早速行きましょうか」
「はーい」
が外泊したため、紡とは現地集合。
そのままテレビ局の会議室へ入れば、相手はすでにやってきていた。
「お、話題の新人ちゃん来たねー!」
「百さん!おはようございます!です!本日は宜しくお願いします!」
そこにいたのはRe:valeの百。
がぺこりと頭を下げれば、会えて嬉しいよと微笑まれた。
今回はオムニバス形式ドラマの内の一話。
毎回百が様々な職種の役となり、その相手役や相棒役がゲストとして呼ばれるらしい。
大きな仕事ではないが、相手がRe:valeの百という事でしっかりやってこいとのお達しが出たのであった。
「こないだの龍之介とのドラマ見たよー!すっごかった!だから今度の役は相手ちゃんが良いってお願いしちゃった」
にゃは、と笑う百に、光栄です!とは微笑み一礼。
そんなに百は一瞬固まり、これかぁ…。と頷いた。
「魔性の笑み、ね。なるほど」
「え?」
「こないだのインタビューもだけど、ちゃんがニコーって笑う度に一瞬周りが固まってる瞬間が結構あったからさ?」
そんな百の言葉に、は自らを指さし不安そうに紡を見る。
「紡ちゃん…私笑顔そんなに下手…?」
「いいえ。ちゃんの笑顔は見る誰もを惹き付けちゃうだけです。だから惚けちゃうんです」
「そう!マネ子ちゃんの言う通り!だから、魔性だねって千とも言ってたんだよ。龍は平気そうだったけど…」
何かを見定めるような、問いただすような視線に、は苦笑し首を傾げる。
「そういう事だとしたら、十さんは撮影で長く一緒に居たので慣れてしまったのかと…」
「もしくは完全に虜になっちゃてるかかな」
今度は見透かすような視線に変わる。
そんな百の視線を、どうでしょう?と呟きながらは再度首を傾げる。