君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第25章 25
「も明日オフなんだっけ?」
「うん、明後日から怒涛の番宣巡りだから。龍くんもだよね」
「そう。明後日からも暫く一緒の仕事多いよね」
二人ソファに並んで座りながら、スマホですいすいと夕食の候補を見ながら呟く。
「個人の仕事も少しでも増えるといいなぁ…」
呟きながら、は小さく息をつく。
今回のドラマは、はまり役だったと言っていい。
実にやりやすく、楽しんでやれたからだ。しかし、これからも同じような仕事ばかりするとは限らないし、正直それでスキルアップは望めない。
「ならどんどんオファー来ると思うんだけどなぁ…」
「うん、だったらいいな。ね、龍くん、何食べる?」
龍之介を見上げ、首を傾げる。
「んー…一応しっかりご飯は食べたしね」
「摂取カロリーは消費しちゃった気もするけど…」
の言葉に龍之介はくすくす笑いの肩を抱き寄せて頭に口付ける。
「とはいえ、時間も時間だし、軽く食べよっか」
「軽く…蕎麦?山村そば店…あ、八乙女さんにそっくりな店員さんがいるとこだ!」
「え?楽に?」
「うん。最初、TRIGGERの八乙女さんですか?って聞いたら、あんなイケメンじゃないですよ、って返されたって紡ちゃんが言ってた」
「あはは、確かに楽はイケメンだしね」
「龍くんが世界一だけどね」
龍之介の言葉に頷き、でも蕎麦はちょっと量あるか、とはまたスマホを操作する。
龍之介は、の言葉にくすくす笑いながらを抱きしめ、スマホを見る。
「あ、久々にゴーヤチャンプル食べたいなぁ。あるかな」
「さっき沖縄料理のお店見たような気が…あ、ほら。あった」
龍之介の膝に後ろ向きに乗り、一緒にスマホの画面を見る。
「他何か頼む?」
「沖縄そば食べたいっ!頼んでいい?…あ、電話。三月くんだ」
「じゃあ、俺頼んどくよ。電話、寝室使う?」
恋人同士であるものの、他事務所所属の二人。何か事務所関係の話ならば、その場で聞くのも躊躇してしまうのだろう。
龍之介の気遣いに感謝し、は寝室へ入ってから電話に出る。