君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第226章 226
「当たり前じゃないか。早くに会いたくて、電話切ってからも寂しくて仕方なかったんだよ?」
「龍くん…今日は1ミリも離れないからね?」
「俺も離せる自信無いなぁ」
顔を見合わせ微笑み合うバカップルに、小さく溜息をつく天と楽である。
「腹減ってんだから早く食わせろ」
「あ、ごめん!龍くんも楽もお酒良いのー?万理さんと買い物したからお酒買えたんだ。飲む?」
「お、サンキュ。何買ったんだ?」
「ビールとワイン。今日野菜多めのグリル焼きだからワイン美味しいかなーって。イメージでしかないけど」
まだまだお酒に関しては分からない事の方が多い。
旅館で手伝いをしていた頃から知識として話は聞いていたが、正直己が飲めない者にあまり興味をもってはいなかったために知識は薄い。
ちゃんと聞いておけばよかったと、今では少し後悔している。
「買い物も大神さんと…?」
「うん、荷物多いからって…龍くん?」
「……ううん、なんでもないよ」
「ちゃんと言って」
強ぇ。
強心臓。
間を置く龍之介が何もないわけがない。
問いただすに、天と楽は若干ハラハラとした気持ちで二人を見守りながら、それでも先にいただきますと手を合わせる。
「…ごめん。大神さんに妬いちゃった」
「そっか…私もごめんね。先に言っておけば良かったね。あとから聞いたら、嫌だよね」
「…俺最近妬いてばっかでごめん」
「前にも言ったでしょ?龍くんが苦しくないならいくらでも妬いていいの。でも、私を幸せにできるのは龍くんしかいないことは忘れないで」
「うん、ありがとう」
「ちゃんと言ってくれてありがとう。龍くん」
「ん?」
「大好き。愛してる」
そう言って微笑むを抱き締め、龍之介はそっと頭を撫でながら俺も、と答える。
「愛してる」
「ふふ、幸せだよ?さ、ご飯食べよ」
「うん。天も楽もごめんね、ご飯待たせて…なかった」
「先食ってるぞ」
「のご飯食べたいからって駅弁も我慢したんだから、もう我慢しないよ」
「そんな嬉しい事言わないでよ天~」
もぐもぐと既に食べ始めていた天と楽にくすくす笑い、龍之介ともまた夕食を食べ始めるのであった。