君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第225章 225
「……終わるかーーい!!!」
数日後、自宅マンションにの大声が響く。
目の前にはプリントの山。
ではなく、山と積まれた色紙。
「何?!サイン200枚って何?!」
「全国のCDショップに飾ってもらう分プラス抽選で100名様に直筆サインプレゼントの200枚だよ」
の様子を見守りつつ枚数チェックをするのは、マネージャー大神万理。
「誰…こんな企画考えたの誰…大盤振る舞い過ぎるじゃん!そんな大安売りして!もう!」
天を仰ぎ、手首をぶらぶらと振り、力の入らなくなってきた指先を軽くマッサージするは、すでに目が虚ろである。
「何枚書きました?」
「今…85枚かな」
「まだ100枚以上あるぅ…抽選…30名にしません?」
「もう告知しちゃってるから…」
逃げ場がないようである。
ならばうだうだ言っていても仕方ない。
やるしかない。
「取り敢えずあと1時間めっちゃ書くので、残りは明日にしてください。手が死ぬ…この後買い物行ってご飯作って龍くん達出迎えるためにめちゃくちゃおしゃれするんで」
龍之介たちの帰宅は夕方。
現在間もなく午後に差し掛かる頃である。
「お昼ご飯は?」
「ゼリー飲料で」
「~」
「時間無いんですもんっ!」
「わかった、今日はここまでにしよう。買い物行くついでにどこかでご飯食べよう。打合せもしたいし」
ここまでにしようということは今日はもう書かなくても良いということである。
ぱぁ、と目が輝くに万理はくすくす笑い、準備しておいで、とを寝室へと促した。
「やったー!準備してきます!」
途端に元気を取り戻すは年相応に現金である。
「全く…」
足取り軽く寝室へ向かうを見送る万理もまた、言葉とは裏腹に彼女が可愛くて仕方ない様子で色紙の片付けに入った。
「万理さん、何食べたいですか?」
「うーん…俺は特に。は?」
「打ち合わせもしやすい所が良いですよね。スーパー近くに長時間OKのカフェあるんでそこ行きましょうか」
そこまで長い打ち合わせにするつもりはないが、そこそこの時間はかかるかもしれないとのことで、のおすすめのカフェへと足を向ける。
店につけば席に案内され、メニューを渡された。