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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第223章 223




「……うん、買いな?いっくらでも買っていいよ。…可愛すぎ…焼きプリンもミルクプリンも買って良いから。そんなおねだり顔しないで可愛い…」

人の往来の多いスーパーで大悶絶するわけにいかず、片手で顔を覆ってこっそり悶絶する龍之介である。

「えへへ、やったぁ」

ご機嫌でプリンの容器を4つ手に取るから、そっと容器を受け取りかごに入れていく龍之介。
まるで新婚夫婦のようなやりとりに、何だこの甘々な雰囲気は、と理は空を見つめている。

「さんの離れられない人って…」
「ん?うん。私には龍くんしかいないの。環も天も私にとってかけがえのない大切な人だけど…。この世界で、今までもこれからも一番愛してるのは龍くんだけ」
「そう、なんですね」

こくりと頷き、理はを見る。

「よく、わかりました。環兄ちゃんや天お兄ちゃんがあなたを気に入ってる理由も、……九条さんが貴女に夢中なのも」
「九条さん?」
「貴女がテレビに映るようになってから、九条さんも貴女のことばっかり…」
「ライブの演出してくださるとは前仰って下さったけど…」
「誰から頼まれたって、九条さん直ぐには頷かないのに…さんには自分からやるって言ったんですか?」
「え…でも、私がいつかお願いしますって、お願いした形だとは思うけど…」

これは嫉妬の種類が違うぞ?とは理を見る。
まさしくこれは、女が女に向ける恋情の嫉妬だ。

「えーと、九条さんは理ちゃんの養父、だよね?」
「……はい」
「年上好み?」
「さんもじゃないですか…」
「う…それを言われると…6個上だしね、龍くん」
「ん…?そうだったね」

の肩を抱き、頭に口付けながら龍之介は頷く。
好きだと自覚した頃こそはこの年齢差に戸惑いはしたが、付き合い始めてからは違和感や戸惑いは一瞬でなくなった。
互いに思い合えば、歳の差などそれほど感じるものでは無い。

「まぁ、恋に年齢は関係ないか」
「そういう事です」
「未成年云々も私が言えたことじゃないしねぇ」
「はい」
「…まぁ、天や環は何やかやいうと思うし、応援するとは言い切れないけど、理ちゃんの想いや選択を否定はしない。幸せになれる道は人それぞれだもんね」
「さん…」
「天と環にも、2人が勘付くまで何も言わない」

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