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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第223章 223




一日の仕事を終え、万理に自宅最寄りのスーパーまで送ってもらった。
龍之介はまだ到着していないようで、ならば先に買い物を始めていようと、メッセージを送り店内に入る。

「あ…」
「ん?」

カゴを手に取った瞬間、誰かに気付かれたようでそちらに視線を向ければ、誰かに似た面差しの少女がいた。

「さん…ですよね?」
「はい。…あ、もしかして環の…?」
「…はい、九条理です」
「そっか、天の妹でもあるんだよね。初めまして、理ちゃん、て呼んでいいかな?」

環に似てたのか、と思いながら微笑み握手に手を差し出すが、その手は取られることは無い。
代わりに、じっと見つめられた。

「?」
「環兄ちゃん…」
「環?」
「環兄ちゃんとさんは…同級生なだけですか?」
「えーと…同級生で、同じ事務所で、友達で…うんと…仲間?かな?」
「天お兄ちゃんとは…?」
「天?は…半同居人で、大先輩で…友達…かな?」

何なのだろうと首を傾げていれば、理はまたじっとを見つめる。
幼さの残るその表情ながら、環と同じく瞳の意思が良く伝わってくる。
そしては何となく合点がいった。
お兄ちゃん2人から堂々と大事な子だと公言されているへの小さな嫉妬心。
けれど、それを表に出すことを躊躇している反応であると。

「理ちゃん」
「はい」
「環からも天からも、理ちゃんの事よく聞いてるよ」

入り口にこのまま居続けるのも他の客の妨げになると、一緒に回ろっか、と微笑み歩き出す。

「そうなんですか?」
「うん。環からは特に、美味しいもの見つけると理にも食わせてぇなーってよく言ってる。理ちゃんの好きなものがご飯とかに出ると、理がこれ好きだよって天も教えてくれるよ」
「そうだったんだ…たまに天お兄ちゃんが帰ってくると貴女の話ばかりだから…」

それは初耳だと、はくすくす笑いながら目的のものをカゴに入れていく。

「天とは年が近いから、いろんな話するんだよね。他愛ない話もするし、真剣に仕事について話したりもするし…。TRIGGERの妹分て公認してもらってるから、外では私のこと妹扱いする分、理ちゃんにはちょっと複雑かな」
「…本当の兄妹ではないから気になり過ぎることは無いですけど…」
「でもちょっと嫌だよね」

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