君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第221章 221
龍之介の頬に口付け、は支度の為に寝室へ向かう。
「向こうでは龍の実家に泊まるの?」
「ううん、ホテルとってあるよ。俺は構わないけど、流石にが気を使いすぎて疲れちゃうかなって思って」
それでなくても気遣い屋な所がある。
実家に寝泊まりしてしまったら、は些細なことでも何でもやろうとしてしまうに違いない。
それでは休暇の意味がなくなってしまうだろう。
「なら、ダチとあってる間ホテルにいても良いんじゃねぇか?」
「一人でホテルに置いておくと、プールとか一人で行っちゃうかもしれないじゃない。絶対反対」
天のその言葉に、龍之介と楽は顔を見合わせる。
「ダメだ」
「あんな可愛い子一人でプールになんて行ったら…」
「龍くーん。この服どうー?」
「ダメだ…!」
「え?!可愛くない?!」
丁度支度を終え階段を降りてきたが、ガーンとその場に立ち尽くす。
そんなに慌てて立ち上がり、龍之介はブンブンと首を振った。
「ごめん!そうじゃなくて……可愛い…すっごく可愛いっ!」
「そう?良かった…何がダメだったの?」
「が1人でプールに行く想像して発狂してただけだよ」
「???」
天の説明に、きょとん、と首を傾げる。
しかし何か合点がいったのか、小さく笑って首を振る。
「私自身も、まだ一人で行動は難しいかな。大分落ち着いて来たけど」
その一言に、龍之介はの肩をそっと抱いてから抱き締める。
もまた、龍之介の胸にそっとすり寄った。
「どこに行っても、絶対に俺が守るから」
「うん、頼りにしてる。ありがとう、龍くん」
嬉しそうに微笑むの額に口付け、龍之介もまた微笑む。
「さ、そろそろ行ってくるね」
「エントランスまで送るよ」
「ありがと。天、楽、行ってきます!」
「頑張っておいで」
「行ってこい」
天と楽に頭をぽふぽふと撫でられてから見送られ、龍之介と手を繋ぎは仕事へと繰り出す。
「まだダメか」
「だね。そんな簡単に…克服できないんだろうね」
「しっかり見守ってかねぇとな」
「うん」
そして天と楽もまた、改めてをしっかり守りたいと決意を固めるのであった。