君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第220章 220
『龍くん、天、楽、優勝おめでとう!』
これまでのメッセージもそうだが、優勝が決まる前に撮られたであろうこの映像。
これだけの数の映像を集めてくれたのも、それだけがTRIGGERの優勝を願って、信じていてくれた証拠である。
「…」
『へへ、改めてこうやって向かうの照れ臭いね。…龍くんに出会って、天と楽と出会って、前を向くこと、進み続けること、立ち向かう事、恐れないことの大切さを知った。そんな3人の傍にいられてすごく幸せ。みんなからのお祝い見てくれたかな?みんな、TRIGGERの優勝を心から応援して、信じてた。やっぱりTRIGGERは最高。大好き。すっごく愛してる』
晴れやかなその微笑みは何とも愛らしく、そして美しい。
プライベート丸出しなもこもこの部屋着に身を包む姿すら可愛くて仕方ない。
『ホントはね、記念になる何か…物をね、贈ろうと思ったの。でもさ、何かを届けたいと思ったときに、記憶に残るものにしたいと思ったんだよね。だから、思いつく限りみんなに声掛けて、メッセージ送ってもらったりしたんだ。3人とも喜んでくれると良いけど…どうかなぁ?』
心配そうに、けれどにこりと微笑むに、龍之介も天も楽も、ありがとう、と頷き微笑む。
『でもね、これだけじゃないの。実際やれてるかわかんないけど…10秒後、なんか起こる!はず!それでは、カウントスタート!』
笑顔のまま両手をカメラに向ければ画面が切り替わり、カウントダウンが始まった。
「何があるんだ?」
「予想しちゃったらつまらないでしょ」
「確かに。それにしてもはどこ…」
龍之介が呟いたその瞬間、音楽が鳴り響く。
TRIGGERでも、IDOLiSH7でも、Re:valeでも、のでもない曲。
けれど、事前に軽く打ち合わせをし、お願いしていた百が向けたスポットライトの中には立っていた。
ボリューミーでリボンがまかれたミニスカートのスパンコールがライトに反射し、きらきらと輝いている。
会場に設えられている小さなステージにぴょん、と飛び乗れば、マイクを手に取りにこりと微笑んだ。
「TRIGGER優勝おめでとー!ささやかだけど、私が作った曲、聞いてくーださい!」