君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第219章 219
打ち上げの準備も整ったころ、IDOLiSH7とTRIGGERのメンバーが続々とやって来た。
「来た来た!みんな好きなとこ座ってー!あ、立ってても良いよ!」
「飲み物こっちだよ」
「龍くーん!」
千と百がメンバーを迎え入れる中、は真っ先に龍之介に駆け寄り抱き着く。
「、お待たせ」
「全然待ってないっ!でも会いたかったー」
「俺も」
「へへ、何飲む?」
「うーん、ウィスキー飲もうかな」
「ロックだよね?」
「うん、そう」
龍之介の手を引き、バーカウンターへと入って酒の瓶を眺める。
「さて、龍くんが好きなのはー…これ?」
「うん、よく覚えてたね」
ウィスキーの瓶を持ち上げ龍之介に見せれば、微笑みこくりと頷きが返って来る。
家にあるのは別の銘柄だが、外で飲むときはいつもこれだったことを覚えていた。
「好きな人のことはすぐ覚えちゃうの」
「可愛い事言って…は炭酸水?」
「うん」
「最近甘いの控えてる?」
近頃はジュースも、お菓子も、ほとんど口にしていないのを目にしていた。
何か理由があるのかと問いかけてみれば、は軽く首を傾げた。
「うーん…特に意識して控えてるってことは無いけど、もうすぐお菓子のCM撮影だから無意識に控えてたかも」
「なるほど。CM撮影は沢山食べないといけないもんね」
何カットも撮る食べ物や飲み物のCMは、その度に一口なり食べたり飲んだりしなければならないことが多い。
今回はまだお菓子だから良いが、パンなどのCMが来たらどうしようとはヒヤヒヤしているらしい。
元々食が細い故に、一口の量が多いものは正直きついのだ。
「あ、でも龍くんが作ってくれるお菓子は我慢しない」
「そう?嬉しいなぁ。の分には特に愛情込めてるからね」
「えへへ、嬉しい。あ、はい、どーぞ。ウィスキーロックでーす」
「ん、ありがと……に作らせちゃってよかったかな?」
「…どうだろ?じゃあ…シー。秘密。ね?」
「うん、可愛い。秘密だね」
互いに人差し指を口元に当て微笑み合う。
周りからしたらバレバレなのだが、内輪の集まり故にOKという事にしておこう。
「みんなー!集まってー!」