君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第216章 216
とうとう、この日がやって来た。
TRIGGERが久しぶりにテレビで歌う日が。
どれだけ待ち焦がれただろう。
どれほど待ち望んだだろう。
やっと、歌って踊るTRIGGERに会える。
のに。
「渋滞!!んもーー!!」
「落ち着いて、番組開始までには間に合うから」
「うううう…うううう…」
「バイブレーションしないの」
唸るにくすくす笑いながら、万理はゆっくりと、しかし的確に車を進め無事にMOPの会場へ。
「車停めてくるから、先行っておいで」
「ありがとうございます、万理さん!行ってきます!」
車を降り、ダッシュで関係者口へ走る。
流石人気女優、首にかけた関係者パスを掲げる前に中へ通された。
スタッフに礼を伝え、ダッシュで向かうのはTRIGGERの楽屋。
「TRIGGER万歳!」
「うぉ?!着替え中だ!」
「ごめーん。見てていい?」
「良いわけないでしょ。ドア閉めて」
「はーい」
「外出て閉めろよ!」
天の言葉に楽屋に入りドアを閉めたに、楽渾身のツッコミ。
「もう下履いてるから良いじゃん。楽の上半身なんて見慣れたよ」
「誤解招くこと言うな。龍!どうにかしろ!」
「あはは、、おいで」
「龍くーんっ!」
更衣スペースから顔だけ出して笑う龍之介が呼べば、満面の笑みでカーテンの中に潜り込む。
楽と同じく上半身裸だった龍之介に抱き着き、胸板にすり寄る。
「間に合ってよかった。すっごい渋滞だったの」
「そうだったんだね。大変だったんだ、お疲れ様。来てくれてありがとう」
「龍くんがステージで歌うんだもん。ちゃんと見たい。頑張って、優勝して。愛してる」
「俺も愛してる。…着けてる?」
「ふふ、それは後のお楽しみ…だけど、ちょっとサービス」
くすくすと笑いながらミニスカートの裾をそっと上げれば、ストッキングから伸びるブルーグリーンのガーターベルト。
途端、龍之介は真っ赤になって口元を片手で覆う。
「そ、そっち…?」
「より刺激的な方が良いかと思いまして」
「頑張る…俺、すっごく頑張る!」
「頑張れっ!すっごく応援してる!」
くすくす笑うにこくこくと頷き、自らの頬に伸びたの細い指をそっと撫でる。