君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】
第215章 215
MOPを目前に控えた本番前日、オフのは龍之介と共に街中へ買い物に出かけていた。
「明日がオフだったら良かったのにねぇ」
「スケジュールはどうしようもないよね。でも緊張する前日にと過ごせるのが凄く幸せだよ」
「私も。龍くんが少しでもリラックスできるなら更に嬉しい」
健気ともいえるの言葉に、そっと肩を抱き寄せて頭に口付ける。
「は何買いたいんだっけ」
「下着」
「………ん?」
「ブラジャーと、ショーツ」
「………悪戯っ子?」
「ううん、全然。龍くんに選んで欲しいの。あ、大丈夫!三田さんが個人サロン予約してくれたから他のお客さんいないんだって!」
それなら良し、とは即答できないが、一応気は使ってもらったらしい。
とは言え、だ。
「俺が選んでいいの?」
「龍くんの好みは大体分かってるつもりなんだけど…新しい発見があるかもしれないじゃん。一番見るの龍くんだし」
「それは確かにそうだけど…何だか照れ臭いなぁ」
「何でさー。最近龍くんの下着私が買ってるのに」
「それも確かにそうだけど。はセンス良いけど、俺のセンスはどうだろう?」
首を傾げる龍之介には一旦立ち止まり、それに倣って立ち止まった龍之介と向かい合ったと思ったら、背伸びをしてクイ、と龍之介の頬を両手で挟んだ。
「私の一番似合う色は?」
「どれも似合いまひゅ」
「一番私が可愛い服は?」
「じぇんぶ可愛い」
「私のこと一番愛してるのは?」
「おれ…」
「なら問題なし!龍くんが選んだのが最高のセンス」
にこりと微笑み龍之介にそっと口付ければ、頬から手を離してそのまま龍之介の腕に抱き着く。
そんなに小さく笑い、わかった、と龍之介も頷いた。
「俺が選んだら、はなんでも喜んでくれるんだね」
「そう。龍くんが選んでくれた、それが最高の条件」
「うん、じゃあ…に似合うの頑張って選ぶね」
店は近くらしく2人は腕を組みながら街中を歩く。
これと言って厳重に変装はしていないが、余りの堂々とした2人の振る舞いゆえか、ほとんど注目は浴びていない。