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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第213章 213



~おまけ~

食事を終え、を無事にマンションへ送り届けた万理は、ふとコンビニの駐車場に入り電話を掛ける。

『バン…お前から電話なんて珍しいね』
「…俺、お前と好みが似てるなんて思ったことなかったんだけど」
『あー…ちゃん?』
「今日、危うく手出しそうになった」

素直に告白する万理に、電話越しのユキは少しだけ黙り込んだ後、なるほどね、と答える。

『バンの、ちゃんへの第一印象ってどんな感じ?』
「の…?うっわ、マジ可愛い。好き。だった」
『昔のお前じゃん』
「こんなに節操なく好きって思ったことねぇよ」
『初対面から重症だった自覚ある?』
「……」

ユキの指摘に、万理はあぁ…とその場で項垂れる。

『年齢と、所属タレントってことで無理くり閉じ込めた気持ちが今になって溢れちゃったんだろ』
「嘘だろ…」
『期間で言えば、バンは今ちゃんの周りにいる誰よりも長く片思いしてるわけだ。あっはっは!あのバンが片思い…ちょーウケる』
「うっせーよ」

ふてくされる万理のスマホの向こうで、未だ笑いが止まっていない様子のユキ。
少しして、何度か息を吐き出し、何とか笑いを止めたようである。

『でも、あの子は龍之介くんの』
「2人の邪魔するつもりはないって」
『……そう?』
「そう」
『でも、龍之介くんが少しでもちゃんを悲しませたら、かっさらう準備は出来てる、と』

そう言われてしまうと、確かに龍之介の次に自らが一番の心に入りこめているかもしれない、と思ってしまう。

「…十くんの壁はすっごい高いよ。あの子達が別れるなんてこと考えられない」
『そうね。あの二人…すっごいよね』
「なんていうか…心よりもっと奥深くまでしっかりと繋がってる感じがするんだ。俺じゃなくたって、どんな奴も崩せないような」
『でも、それを感じ取ってても可愛いし好きなんでしょ?』
「そう。どうしたらいい?」
『諦めて失恋するか、告白して失恋したら?』
「お前めんどくさくなって来ただろ」
『ま、僕もまだちゃん諦めたわけじゃないから。お互い頑張ればいいんじゃない?』
「……お前にだけは負けたくない」
『生憎だね。僕もだよ』

敵うはずがないとわかっていても、ライバル心が出てしまう元相方同士であった。

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