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君は水面に輝く光【アイドリッシュセブン 十龍之介】

第212章 212




まだ年の変わり目も遠いが、は年末年始の為の怒涛の撮影を日々こなしていた。

「一生分の振袖を着た気がする…」
「何着着たか覚えてる?」
「10着目から数えるのやめました」

ぐったりと振袖姿のまま机に伏せるだが、年始特番、CM、ドラマ、モデル等、様々な撮影もそろそろ終わりが見えてきた頃である。

「明日から龍くん名古屋なのにー!!早く帰りたぁぁーーい!!!」
「おや、ちゃんが発狂しだした」
「落ち着いて!今日も6時には上がりだから!」

ぽふりぽふりと頭を撫でられ、激昂していたはふにゅりと落ち着きを取り戻す。

「おお、流石大神さん」
「十くんから聞いたんですよ。頭ぽふぽふすると落ち着きやすいって」
「ちゃんのツボ知り尽くしてるねぇ、十くん」

未だライブハウスなどでのライブを重ねているTRIGGER。
地方へ出かけることもまだ多く、その度にはお留守番である。
ライブハウスには事務所から出入りが禁止されているし、龍之介も天も楽も、が行きたいと言ってもOKを出さない。

「ライブハウスのTRIGGERみたいよぉ…間近で推しを浴びたいよぉ…」
「彼女として行きたいんじゃないんだ?」
「TRIGGERはTRIGGERなんですっ!私の!憧れの!アイドル!…壮五さんに教えてもらって資金運用してでかいハコを借りれるくらいのお金を稼ぎたい…!」
「なら出来そうな気もするけど…一歩間違えたら破産だからやめときなさい」
「うーー…」

わなわなと手のひらを震わせる。
相当にTRIGGERが欠乏しているらしい。
そんなにスタイリストはケラケラと笑いながら、そういえば、とを見る。

「自分のライブ考えないと、ちゃん。アルバム出るんでしょ?」
「はい。年明け割とすぐに…ライブやりたいなぁ…スケジュールさえ空けばなぁ…」
「うーん、2月…遅くても春にはね。ツアーはまだ難しいけど、単独で大きいとこ借りるから!」
「プレッシャー…!」

頬に手を当て、ひぃ、と声を引きつらせるに万理はふるふると首を横に振り微笑む。

「なら出来る。じゃなきゃこんな事言わないよ」
「万理さん…」

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