第9章 翻弄される宿命
「わかりました………ウィスタリアに……残ります……」
震える声で告げると
ジル様は私の顎を掴み上を向かせた
唇が触れてしまう…
「よろしくお願いします…女王陛下」
ジル様の手が離れると急いで部屋を出た
ユーリ……
約束守れなくてごめんね…
私は廊下を走りゼノ様とユーリを探す
何処にいるの!?
「あっ…!!」
階段を降りようとした所で脚が躓き
そのまま転げ落ちた
「いっ…たぁ…」
冷たい床に手を付いた
「そんなに急ぐ事ねぇだろ」
!?
「シド…」
見上げるとシドが立っていた
「ほらよ」
私の手を掴み起き上がらせた
起き上がると私はシドの手を振り払う
「あんたって本当に最低!」
私はフラつく脚でそのままシドを無視し通り過ぎようとした
後ろから肩を掴まれ立ち止まる
「待てよ、シュタインへ逃げるのか?」
「逃げない!離して!急いでるの!」
シドはやたらニヤついていた
私はこの余裕ぶってる顔が本当に嫌いだ
「おまえが人質として残る話しなら俺がして来てやったよ」
「……なっ……どーせ嘘でしょ…」
過敏に反応するとシドの思うツボだ
私は呆れた口調で言い放った
「嘘だと思うなら確かめて来いよ、
俺を楽しませた後でな…」
シドは後ろから私の首に腕をまわした
!?
「ぅ…がはっ……」
シドの腕が私の首を絞め上げる
苦しい…
ユーリに…
伝えないと……
…………………………………………
意識が戻ると天井が見えた…
寒い…
あれ…
「……最悪」
私は独り呟いた
下着はつけているものの
両腕がベッドの柵に縛り付けられている
脚は大きく開かれた状態で縛られていた
「目ぇ覚めたか?」
シドは私を見下ろしていた
「何これ…早く解いて!!」
私は叫んだ
「うっせーな…少しは黙れよ
…なぁ、ジル」
「なっ…なんでジル様が…」
私は驚愕した……
もしかして…
二人は最初からグルだって事……?
「この日を楽しみに待ってましたよ、
あなたがどんな風に乱れるのか楽しみですね」
ジル様は笑っていた
私は狂気じみたその笑顔に背筋が凍りつく