第1章 変化する関係
それから何度も身体を重ね幾度となる絶頂を迎えると
窓からさす明るみを帯びた光に朝の訪れが近い事を感じた
「おやすみ…ユーリ」
汗で張り付いた前髪を上げおでこにキスをした
「ん…おやすみクロエ」
ユーリは甘えるように私の胸に顔を埋め
程なくして眠りについていった
ユーリが寝たのを確認すると私は音を立てず、
静かに部屋を後にする…
まだ朝の4時半くらいだろうか…
ベビードールの上から軽いショールを羽織ったまま
誰もいない廊下を忍び足で急ぐ
城内の巡回経路はわかっていた
誰にも会わずに自室の扉の前に着き
ホッと胸を撫で下ろし
ドアノブに手をかけようとした
「おい」
突然背後から声をかけられ思わず肩を揺らす…
この時間にこの廊下は巡回経路に入っていないはずなのに…
自分の失態に唇を噛んだ
「こんな時間に何やってんだよ」
とにかくやり過ごさなければ
足音が近づき私は意を決して振り向いた
私はこの声の主が誰だか知っている