第7章 足枷
翌日
私は目が覚めると昨日と同じ中庭のベンチに座った
ルイ様……
誤解…
解けると良いな……
私は二人を引き裂くのが任務なのに
なんでこんなこと考えるんだろう
ゼノ様の婚姻が嫌だから?
違う……
こんな事…
やりたくない
かと言ってこのままシュタインへ帰っても私の居場所は無いし
ずっと此処に留まる訳にもいかない
私はどうしたら良いんだろう……
「浮かない顔してるね」
「レオ…」
顔を上げるとレオが立っていた
この城に来て一番初めに打ち解けた相手…
「ジルから昨日の話し聞いたよ…傷、痛むよね?
大丈夫?」
レオは心配そうに私の顔を伺った
「昨日よりはマシかな…なんだか久しぶりだね」
私の隣りに腰掛け、自然な動作で腰に手をまわした
「そーだね、役職違うしなかなか会えないけど…
久しぶりにクロエちゃんに会えて良かった」
レオは気分良さそうに笑った
私もつられて笑ってしまう
そうだ…
レオなら知ってるかも
「実は…あの時、ルイ様と一緒にいた所をプリンセスが見つけて…それで、プリンセス勘違いしてたみたいだけど…
誤解…解けたのかな…?」
「あー…別に大丈夫でしょ、プリンセスはシュタインに嫁ぐんだし」
「え…それは……決まった事なの?」
私は動揺した…
「ルイが…何者かに命を狙われてるんだ、そんな危険な状態なのに国王にするのは無理がある
それにシュタイン国王からの婚姻を受けるのはこの国の未来の為でもあるしっ
そんな感じかなー」
「そう…なんだ…」
国の未来の為…か…
ゼノ様も同じ事言ってたな…
「でも…二人は愛し合ってたのに…」
「仕方無いよね、国を守るのがプリンセスの宿命だし、
それにルイを好きな女の子達から嫌がらせも受けなくて済むし、女の嫉妬は怖いからねー」
レオは冗談っぽく笑った
「ルイ様は……それで良いのかな…」
「あれっ?もしかしてクロエちゃんルイの事気になってるのー?」
「それは……」
気にならないって言ったら嘘になる…
「俺にしときなよ」
レオは私の顎を掴み顔を寄せてきた
キスされる…?