第7章 足枷
「ねぇ…起きて…クロエ…ねぇってば…」
「ん……ゆー..り…」
私は目を覚ました
辺りはまだ暗く朝の訪れは感じない
「クロエ…ごめん…俺が…」
ユーリは涙を浮かべていた
「ユーリ…もう二度と人を傷つけるような事はしないで」
「新しい任務…遂行しようと思ったら……まさかクロエに刺さるとは思わなくて…ごめん…」
私は何も言わずユーリの頬を撫でた
「俺は…早くクロエとシュタインに帰りたくて…今日だって…アラン様と楽しそうに踊ってる姿見て……嫌で、それで……」
「ごめんね……昨日も…ルイ様は危険な目に遭ったみたいだけど…ユーリだよね…?」
「…うん」
ユーリは俯いた
「…もうすぐ、任務は成功する…だから二度と危ない事はしないで……」
「わかった…クロエ…俺からも約束して欲しい
…俺の事、嫌いにならないで…」
「ならないよ…」
私は笑顔をつくりユーリの髪を撫でた
「良かった……」
小さく呟き
私の唇に触れるだけのキスをおとした
「明日も朝早いでしょ?
早く寝ないと…」
「そうだね…おやすみクロエ.、愛してる」
ユーリはそっと私の瞼に唇を寄せた
「おやすみ、ユーリ」
シュタインに帰りたい……か…
私は自分がシュタインへ帰りたいかどうかなんて正直わからなくなっていた
ゼノ様という私につけられた足枷が
もうすぐ外れようとしている……
それに…
シュタインへ帰ってもプリンセスと婚姻したら私の居場所なんて無くなる……
アランにも会えなくなってしまう
ユーリの事はやっぱり男として見れない
私がユーリをあんな風に変えてしまったのに…
今更自分のしてきた事に後悔している
ゼノ様に会えない寂しさを私はユーリで埋めようとしてたんだ…
ごめんね……
ユーリ…