第7章 足枷
「おいっ!何してんだ!」
「アラン…」
目の前にはレオの肩を掴むアランがいた
「何って、キスしようとしてた所」
悪びれる様子も無くレオが告げた
「俺の女に手出すな」
「えー!いつからアランのものになっちゃったのー!?
つまんないのー」
レオは去って行った
「おまえも少しは抵抗しろよ」
アランの不機嫌そうな声が飛んだ
「ごめんなさい…」
アランは私の正面にしゃがみ込んだ
「傷…大丈夫か?」
心配そうに眉を寄せていた
「うん…」
「痕、残らないと良いけど…」
アランは傷に触れぬよう優しく私を抱きしめた
「治るまで大人しくしてろよ」
「ありがと…アラン」
やっぱり…
アランに抱きしめられると落ち着く…
もしかして
私、アランの事を……
「じゃあな」
アランは行ってしまった
怪我をしたせいで何も出来ない
つまらないな…
夕食を終え
私はベッドに戻った
治ったらルイ様に新しいスカーフをプレゼントしよう…
血で汚しちゃったし…
ガチャ
扉が空く音が聞こえた
私はベッドの上で起き上がる
「ユーリ…」
ユーリは色とりどりの花束を抱えて部屋に入ってきた
「お花、摘んできたんだ」
ユーリはニコリと可愛らしい笑顔を見せると花瓶にさしていった
「ありがとう」
「ねぇクロエ、ゼノ様とプリンセスの婚姻が決まったんだって
俺たちシュタインに帰れるね!」
嬉しそうに笑うユーリを余所に私の心は痛んだ
何も言葉が出ない
「どーしたの…?
あ、傷痛むよね…本当にごめん…」
ユーリは私の頭を胸に抱いた
「大丈夫だから……」
私とユーリは唇を重ねた
ユーリが好き
けれど…
何故、"好き"という感情には色んなタイプがあるのだろう……
めんどくさい……
「……ん」
重ねた唇から舌が割り込まれた
私も舌を絡ませて角度を変えて
深く味わっていく
唇が離れるとユーリは私のワンピースの肩紐を落とした
ワンピースが腰元に溜まる
「…んっ…」