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イケメン王宮真夜中のSPY

第6章 揺れる想い



「此処って…」

暫く歩くと煌びやかなショーウィンドウの前にアランが立ち止まった


「入るぞ」

アランに笑顔で促され店内に入った


「凄い……綺麗」

煌びやかで美しいドレスが店内に並ぶ

「今日はダンスパーティーだから、一緒にドレスを選びに行ったって事にして置けば誰も文句言わないだろ」

「嘘っ…私踊るの?護衛は…」

「1曲くらい俺と踊ってくれないか…?」

柄にもなく頬が赤くなっていくのが自分でもわかる…

ドキドキしてる…

こんな気持ち
ゼノ様の前でしかなったことないのに…



「アラン…ありがとう…」



私は様々なドレスを手に取り鏡の前で合わせるが

決められない…



「決まったか?」

「えっと……まだ決められなくて、アランが選んでくれないかな?」


「俺が?…そうだな…」

アランが手に取ったのは
オフショルダーの幾重にもレースが重なったバラの花弁に見立てたワインレッドのドレスだった


私は試着しアランの前に立った


「どうかな…」

何だか照れくさい

「おまえ……良く似合ってる、綺麗だな」

アランは一瞬驚いたような表情を見せたがすぐに笑顔になった




ドレスを私のサイズに仕立て直してもらうまで時間があるため
城下町を二人で歩いた


「おまえ、またフラフラしてどっか行くんじゃねーぞ」

アランは照れくさそうに私の手を取り繋いだ

私は自然と笑顔が零れた

オシャレなカフェテラスで食事をとり
活気溢れる街並みを並んで歩いた



こんな事したの初めてだな…

シュタインに居た頃は毎日公務に追われ、夜になるとゼノ様に抱かれる
そんな日々が続いていた

それでも私は幸せだった




城下町を並んで歩くだけで幸せなんて

思いもしなかった


「おい…大丈夫か?」

ふとアランに顔を覗かれた

「あっ…大丈夫っ、何でもないよ」

私はすぐに笑顔を作った





程なくして仕立ててもらったドレスが出来上がり
私はドレスをもう一度試着した


夢みたいだな…

「おまえそのまま着て行けよ」

「えっ…でも…」

「行くぞ」

「あっ、待って!」


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