第6章 揺れる想い
「アラン!!」
「そいつから離れろ!」
アランは剣を抜き男達へ振り翳した
一人の男が斬られると周りの男達は外へ逃げ出した
「ア、ラン....ぅっ」
私は安堵の涙を流した
「大丈夫か?」
アランは駆け寄りマントを私に羽織らせ
抱き締めてくれた
「ぅっ....ん、怖かった…」
この惨状を見れば何があったかは一目瞭然だろう…
それなのにアランは何も聞かず私が落ち着くまで抱きしめてくれた
「帰ろう」
アランは優しく告げた
「………嫌」
まだ身体が疼いてる…
それに…こんな格好で城に帰りたくない
騎士の私が…酒場の男たちに犯されそうになった事実だけでも恥ずかしくて城になんて帰れない
もう…私のプライドはボロボロだ…
「…ぇ?」
アランは私をマントで包み抱き上げた
「そうだな…こんな格好で帰れないよな…」
深夜遅く人の気配を感じない街をアランに抱かれながら
私はアランの首に手を回し胸に顔を埋めた
程なくし、建物の中へ入った
裏路地に佇むモーテルだ…
アランは私をフロントの椅子に降ろした
もう自分で歩けるかも……
アランは部屋の鍵を受け取り
ふらつく私の肩を抱いて部屋へ入った
「アラン……ごめんね…心配ばかりかけて…」
「おまえが謝る事ないだろ」
アランは私の乱れた髪を撫で慈しむような瞳をしていた
「身体…流してくる…」
私は浴室に入った
広い………
バスタブにお湯を溜めながら
泡立てたスポンジで汚れた身体を洗っていく
ふと寒気を感じ振りかえるとアランが立っていた
「俺が洗ってやるよ」
アランは服を脱ぎ広い浴室に入ってくる
「自分でできるからっ…大丈夫っ…」
「良いから貸せよ」
アランはスポンジを奪い手に泡をいっぱい付けて私の身体を撫でた
「ぁっ…」
どうしよう…
こんなことされたらまた……