第5章 屈辱と絶頂
何か良い方法は……
思いついた……
ユーリには悪いけどアレを使うしかない
いざという時の為にゼノ様からもらった睡眠薬……
こんな事の為に使う筈じゃなかったんだけど
ユーリ、ごめんね
そう心で呟きながら部屋から出る準備をした
さて、ルイ=ハワードについて調査でもしようかな……
私は長い廊下を歩いていた
今日は誰の護衛も無く、騎士団としての任務も無く一日城で暇を持て余すだけだった
だからゼノ様から与えられた任務を行おうと思ったが肝心な人物はこの城にはいない
上手く引き離す方法……
暗殺、色仕掛け…
この二択しか思いつかない……
物騒な事はしたくないし、かと言ってこれ以上誰かと身体の関係を持つなんて……
ドンっ
「わっ!ごめんなさいっ」
考えながら歩いていたら誰かの背中へぶつかってしまった
「クロエ!?」
「アラン…」
アランとの関係もあった…
忘れてた…
「ぼーっとしながら歩いてたら危ねーから気をつけろよ」
私の頭にポンっと手を乗せ、アランは笑った
「ごめんなさい、気をつけます」
私は足早に去ろうとしたが
手首を掴まれ引き止められた
「今度の休み空けといてくれ、おまえに見せたいものがあるんだ」
「ぇ、私…次の休みは」
これ以上アランとの関係は続ける意味は無いし…
「頼む、ずっとクロエに見せたかったんだ」
「えっと……わかりました」
その日に関係の終止符を打つか…
「じゃあ決まりな!」
アランは満足そうに闘技場に向かって歩いていった
私は馬の世話をしたり、剣を研いだり、読書をしながら夜を待った
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23:00頃になるとユーリは私の部屋へ訪れてきた
ユーリは私に抱きつき紅茶を淹れようとしたが私はそれを拒んだ
「今日は私が用意するね」
私はユーリに出す紅茶に睡眠薬を混ぜた
ごめんね、ユーリ
ユーリが眠ったのを確認すると私はすぐに用意した馬に乗り城を出た