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イケメン王宮真夜中のSPY

第4章 思惑



「何をしている!?」


突然降りかかった声に驚き私は脚を滑らせた



堕ちるっ!


身体が浮くような浮遊感を襲われ私は意を決して目を綴じた


ドンっ


脚が冷たい床に叩き付けられた


痛い……

あれ……以外と平気かも…

堕ちて無い……

それに…この香り…


恐る恐る目を開けるとそこには私の下敷きになったゼノ様の姿が目に入った



「ゼノ様!?ごっ…ごめんなさっ!?」

慌てて起き上がろうとしたがゼノ様は私を抱きしめ
離そうとはしなかった

「バカか……おまえは」

ゼノ様の胸に頭を埋める体制で私は降ってきた声に安堵した


「……ごめんなさい…ここへ来て、思い出していたんです、ゼノ様と過ごした日々を」



「堕ちたらどうする……バカな事はするな」


腕が緩んだ所で私は起き上がりゼノ様も続いて起き上がった


「怪我は無いか?」

「はい…」

私は目を合わせられず自分の足元を見ていた



「さっきは……すまなかった」

ゼノ様は私を優しく包み込むように抱きしめ


途端に止め度なく涙が溢れだした


「…ぅっ.…ぜっ..ノさまっ…」


「あんな言い方をして悪かった……文書に目を通したがこれだけの期間でよく調べあげたな」


宥めるように背を摩られると更に涙が零れ落ちた


「おまえに…話しておきたい事がある」


「はい…」

顔を上げゼノ様の瞳を見つめた




「ウィスタリアのプリンセスに……婚姻を申し込む事にした」


「そんなっ……嘘っ…」

私は目を見開き絶望の淵に立たされた気分になった


「…協力してくれないか?」


「出来ません!ゼノ様は私の気持ちを知っていて……そんな事…」

声を張り上げ悲痛に表情が歪んだ

「わかってくれ…この国の未来を背負って生きる事、おまえとユーリにこれ以上危険な任務を任すのは終わりにしたいんだ」

「でも…」

「おまえの気持ちは知っている…俺もクロエを愛していた……俺はユーリの気持ちも知っている、ユーリならおまえを幸せに出来るだろう」


だから…ゼノ様は私を手放して
ユーリと二人ウィスタリアに送ったって事…?



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