第4章 思惑
扉を出るとアルバートが壁にもたれながら立っていた
「アルバート…私どうしたら良いんだろう……シュタインに帰ってきたのに…ゼノ様に嫌われちゃった」
アルバートはめんどくさいと言わんばかりの表情だった
「おまえ……何故ゼノ様がおまえをウィスタリアへ行かせたかわかって無いようだな」
「わかってる…私に飽きたんでしょ…それに、私との関係がバレたらゼノ様の立場が揺らいでしまう…」
「やはり、分かってないようだな」
アルバートはそう告げるとゼノ様の部屋の扉に手をかけた
「待って!じゃあ何で!?教えて」
「自分で考えろ、それと直ぐに応接間に戻れ…プリンセスがおまえを待っている」
あとでまた聞いてみよ……
私はおぼつかない足取りで応接間へ向かった
……………………………………………
応接間へゼノ様とアルバートが現れ私は席を外すよう促され扉の外で控えていた
部屋の中はゼノ様とアルバートとプリンセス…
何を話しているかなんて興味は無い…
けれど何ともいえない嫌な予感がしていた
暫くし扉が空いた
プリンセスに部屋を案内する為アルバートの後ろをプリンセスと2人で着いていく
私は驚愕した
プリンセスへ与えられた部屋は以前の私の部屋……
ゼノ様の隣…
ゼノ様の部屋へと直接通じる秘密の扉がある部屋だった
「凄い……素敵なお部屋をありがとうございます!」
プリンセスは笑顔でアルバートでへ伝えた
私も一礼し閉まる扉を確認すると一目散に走り出した
「おい!何処へ行く!?」
アルバートの制止する声を無視し私が向かう場所…
それはただ一つ
はぁっ はぁっ
階段を駆け上がり息を切らし辿り着いた
城の最上階
星がよく見えるバルコニー
私はバルコニーの手摺りに立ちゆっくりと手摺りの上を歩いた
ここは以前ゼノ様と二人…
星を眺めた思い出の場所
空を見上げれば思い出すゼノ様との日々
手摺りに立つ私は風を感じこのまま堕ちてしまいたいと考えた
もう、何もかもが終わりだ
このまま追い風が吹いて堕ちてしまったら楽になる……