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イケメン王宮真夜中のSPY

第4章 思惑


私はただゼノ様に見惚れていた

上品な物腰に色気…
透き通るような肌、漂う威厳…
何も変わっていなくて只々、全てが美しい



「そんな所に突っ立ってないで座れ」


「ぁ…失礼します」

ゼノ様の前だとウブな私が現れてしまう
広いソファーに腰を下ろした


「離れている間…ずっとおまえの事を考えていた」

「ゼノ様…」

ゼノ様は私の隣に座り落ち着いた様子だった


「こちらが今まで調べた情報です」

はやる気持ちを抑え

私は調べた事を文書に纏め机に置いた


兵力、城内の構造、王の危篤
そしてどういった人間が何の役職なのか…




「ご苦労だった…後で目を通しておく」


そう告げるとゼノ様は私を横抱きにしベッドへ連れて行った

ゼノ様の香りが鼻を掠め私はそれだけでも感じてしまう

私は本当にゼノ様を愛している
痛い程自覚していた
そしてこれから始まる情事を思うと私はまだ飽きられていなかったと感じ胸が満たされていく


ゼノ様は上着を脱ぎ私に覆い被さった

「クロエ…」

耳元で囁かれそれだけで濡れていくのがわかった

「ぁ…ゼノさま…」

ゼノ様は私のブラウスのボタンを外していく

外す度に軽く当たる指先に感じてしまう


「おまえは本当に可愛いな…」

私は自分からブラウスの袖を抜いた


ゼノ様の動作が止まり私の胸元を凝視している…



マズイ…

痕が……


「随分とウィスタリアで楽しんでいるようだな」


冷たく吐き捨てるように告げられ私は絶望する


「これは…っその…情報を得るため仕方なく…」

「言い訳など聞く気にならんな」

「ごめんなさい!…許して下さい...お願いです…ゼノ様!」

私は必死で懇願した

「もう良い、出て行け」


「…ゼノ様」

ブラウスに袖を通し震える指先でボタンを付け直し
私は溢れる涙を隠し一礼して部屋を出た
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