第3章 考察
唇が離れた
「ユーリ……泣かないで」
「うるさっ…ぃ…」
真っ赤になった顔を隠すように胸に顔を埋め
涙で私の胸元を濡らした
私も気付いていない訳じゃない
ユーリの気持ちに
私を好きだという気持ちに
ユーリは初めて感じた嫉妬心に混乱して
どーしたら良いかわからなくなっていると…
「ごめんね…私こそごめんね…ユーリ……許して」
「もぅ俺…どーしたらいいかわからないよ」
私はユーリの次の言葉を待つ
「クロエが…何か考えがあって起こした行動だってわかってるけど……ゼノ様の事が好きなのも知ってるし……」
「…うん」
「なのにあの夜…初めてクロエと一つになって
…もしかしたらクロエも俺と同じ気持ちなのかも…って思って」
「…うん」
同じ気持ちか…
確かに私はユーリが好きだ
ユーリが思ってる以上に好きだし愛してる
けれどこの気持ちはユーリと同じではない
只々、可愛い弟のような存在として愛してる。