第2章 次なる目的
夢を見ていた
そう遠くないのに今となっては懐かしい思い出に変わっていた
シュタインで過ごしたゼノ様との甘い日々
ゼノ様は毎夜私を愛してくれた
これは誰にも言えない秘密の関係だった
もしも秘書と関係を持っているなんて事がバレたらゼノ様の国王としての立場が揺らいでしまう
私をウィスタリアへ向かわせたのはこの関係を終わらせる為だと感じていた
だけどゼノ様の本心なんて私にはわからない
私は今でも心の奥底でゼノ様を思っているのに…
………………
気が付くと私は知らない部屋で目を覚ました
「…あれ?」
馬から落ちてからの記憶が無い…
起き上がろうと思ったが身体が怠く
とにかく寒く
布団を頭から被った
このベッドのシーツの匂いは……
私の知っている匂いだった