第2章 次なる目的
アラン様は納得いかない表情で私を見ている
「おまえ…本気かよ」
「ええ、これから闘技場に向かわさせて頂きます」
「待てよ」
通り過ぎようとする私の手首を咄嗟に掴まれた
ここまで来るとさすがに寝不足も手伝ってかイライラしてきた
「何でしょう?」
作り笑いも限界を迎えようてしていた
「その…今朝も言ったけどよ…おまえが心配なんだよ」
「…何故ですか?
私が武術に秀ているのはご存知の筈」
「ああ、そうだな…」
そう言うと掴んでいた私の手首を離した
一礼し私は足早に闘技場へ向かった
騎士団員達と手合わせし
毎度の事ながら勝ってしまい
つまらなくなった私は1時間もしないうちに闘技場を出た
少し馬にでも乗って散歩するか…
私は跨ると手綱を引き馬の腹を蹴って出発しようとした
瞬間
眩暈がし馬から振り落とされ地面に強く叩きつけられた
「クロエ!!」
遠くで誰か私を呼ぶ声がした…