第61章 祝いの日
それから宴が始まると、徐々に親戚以外の者が増えてくる。
杏寿郎と菫は祝いの言葉を述べに来てくれる者に対応し忙しくしていた。
その対応に菫が疲れ、杏寿郎が『休みを入れてやって欲しい』と皆に頼んでくれた時、菫は近くに来た照子を見て目を見開いた。
(…あ……。)
菫は予てから気掛かりに思っていた事があった。
それは圭太の今後についてだ。
「圭太さん!」
菫は泣きに泣いている圭太を呼ぶと、目を丸くする照子の肩に手を添えた。
圭「菫…、こちらのお嬢さんは?」
「藤の花の家紋の家の娘、照子さんです。ほら、薬草を提供して下さっていた藤井家の。」
それを聞いた圭太はパッと顔色を明るくさせた。
圭「元鬼殺隊隠の佐藤圭太です。元蟲柱様の胡蝶しのぶさんの屋敷で薬の調合をしていました。菫とはそこで知り合いまして…。」
そう挨拶をされた照子の頬は赤い。
其れも其のはず、杏寿郎のせいで霞んでいたが圭太は元々顔も良ければ性格も良い男なのだ。