第60章 初めての宴
「…………………………。」
酔っていた菫は眉を顰めた杏寿郎を見上げながら、『見れば見る程綺麗な顔立ちだわ。』と呑気な事を考えた。
「杏寿郎さん、こちらを向いて下さい。」
菫はビクッと体を震わせながら瞼を上げた杏寿郎の頬に触れると、輪郭をなぞってから目元に触れた。
「大きな目…綺麗…。」
杏寿郎は『この調子で触れられたらまずい』と感じてバッと身を起こした。
杏「…水はもう良いか!それならもう少し目を瞑っていると良い!目を回してしまうかもしれないぞ!!」
そう言って距離を取ろうとするも菫が杏寿郎の袖をきゅっと掴む。
くんっと引っ張られた杏寿郎はぎこちない笑顔を向けた。