第57章 闘いを終えて
し「やはり無一郎くんと宇髄さんの次に重症なのは煉獄さんですね。」
菫は意識を保っていた天元を思い出すと少し首を傾げた。
しのぶはそれに気が付くと菫に消毒を手伝わせながら少し微笑む。
し「宇髄さんは体が特別頑丈なので…。それに痛覚も普通ではありませんしね。」
しのぶはそう言いながら杏寿郎の傷の具合いを診ると、『かなり酷いですが煉獄さんなら問題無く回復するでしょう。』と言った。
その言葉に菫は安堵の息を吐きながら床へへたり込み、槇寿郎は椅子にどかっと座った。
し「では悲鳴嶼さんを診てきますので失礼します。安静にしていて下さいね。」
そう念押しするとしのぶは忙しそうに出て行った。
杏「ご心配をお掛けしてすみません。」
杏寿郎が静かにそう言うと槇寿郎はゆっくり立ち上がってくるりと背を向けた。
槇「いや、安心しただけだ。千寿郎を連れて来る。安静にしているんだぞ。」
杏「はい!!」
杏寿郎は千寿郎の名を聞くと明るい笑顔を浮かべて返事をし、槇寿郎を見送った。