第56章 最終決戦
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(鬼舞辻の血を入れられたのなら藤の花の毒が効くのかしら…それともそうしたら鬼舞辻の血だけでなく竈門様の体まで傷付けてしまう…?)
そうして菫が炭治郎を抱えながら冷や汗を流している頃、炭治郎は先祖の記憶を見ていた。
それは日の呼吸の型について知るチャンスであった。
しかし、それがチャンスであっても体の方がピンチである事に変わりはない。
そうして菫が成す術無く炭治郎の冷や汗を拭っていると、釣り目の少年隊士、もとい愈史郎が駆け寄って来た。
愈「離せ。」
「はい。」
無駄な事を訊かず素直に従う菫をちらっと一瞥すると、愈史郎は炭治郎に薬を打った。
すると目元の腫れが引いていく。
そして、吸い寄せる腕によって傷を負ってしまった蜜璃の元にも珠代の猫、茶々丸が駆け付け薬を打った。
蜜「ぎゃうっ」
初めは毒でも食らったのかと思ったが、柱達は蜜璃の腫れが消えていくのを見るとハッとした。