第56章 最終決戦
実「何か知らんが通りすがりの猫に助けられたぜェ!!」
惨「また珠代の差し金か…!」
杏(珠代…あの鬼の薬か。)
杏寿郎は戦闘が始まる前に炭治郎が無惨から切り離した女の鬼に視線を遣った。
珠代は手元に戻って来た茶々丸を撫でると不敵に笑う。
珠「白髪がよく似合っていますよ。」
その言葉にハッとする。
無惨は空腹であるが故に力を出し切れていないのだと思っていた。
しかし、新しい技を出しても出しても順応され、劣勢である状況が変わらない。
むしろ悪くなる一方だ。
惨(もしや…薬は人間返りだけではなかった…?白髪…、まさか、)
惨「私は…老いているのか…!!」
鴉「夜明ケマデ三十分!!!」
惨「!!!」
無惨は酷い焦燥感に駆られた。
何しろ体はどんどん動きが鈍くなる上にまだ動ける柱が七人もいるのだ。
そして、そこへ一番毛嫌いしている炭治郎が戻って来た。