第56章 最終決戦
黒「ーーーーーーッッ!!!!」
極限まで追い詰められた黒死牟は耳を劈くような声を上げると、体中から刀身を現し反撃をした。
それによって無一郎の左脚が飛び、玄弥の胴体は泣き別れになり、他の三人も深手を負いながらふっ飛ばされてしまった。
唯一、無一郎だけが黒死牟の腹に刀を刺したまま留まっている。
無(だめだ…まだ無惨が残ってる。みんなの為にも俺が…何とかしなくちゃ。俺が……、)
そう思いながらギシッと刀の柄を力強く掴む。
すると刀身の色が赫く変わっていった。
黒「!?」
赫い刀のせいで体がビキッと強張り、内臓を灼かれるような激痛が走る。
それに気を取られているといち早く戻って来た杏寿郎がその首に刃を振るった。
そこに天元と行冥も戻ってくる。
無一郎の刀の影響で動きが鈍った黒死牟は、三人の猛攻に手一杯となっていた。
玄「血鬼術…、」
――メキッ
その隙を突いて、玄弥はまだ黒死牟の体内に残っていた弾丸を使って再び黒死牟を固定した。
そして黒死牟が技を出せない事に動揺している間に行冥がその頭に鉄球を振り落とす。
そこに天元と杏寿郎が更に刀をぶつけて後押しした。
杏「ああああ!!!」
天「オラァァッ!!!」
すると鉄同士がぶつかりあって赫くなっていく。
そして、
―――ドゴンッ
重い音を立てて黒死牟の首が落ちた。