第56章 最終決戦
無(躱せ!足手まといになるな!役に立て!!)
無一郎はそう自分を奮い立たせるとバッと駆け出した。
行「攻めるぞ!!!」
杏「うむ!!」
天「ああ!!」
無一郎の意思を汲んで三人も一斉に踏み込む。
すると、黒死牟はすぐに三人の動きが変わった事に気が付いた。
黒(視えているのか…私と同じ世界が…。)
そう思った時、ドンッと銃声が響く。
三人に驚いていた黒死牟はそれに気が付くのにワンテンポ遅れ、既の所でそれを弾いた―――筈だった。
黒「…!?」
弾いた弾丸は生き物のように軌道を変えて黒死牟の体にめり込んだのだ。
―――メキッ
それと同時に床を突き破って深く根を張った木が生え、黒死牟を固定した。
黒(血鬼術…!!)
玄(や、やった…!!)
人知れず居合わせていた不死川玄弥は、銃を撃つと再び邪魔にならないよう柱に隠れた。
その瞳は黒死牟のそれと酷似している。
四人が戦ううちに落ちた黒死牟の欠片を食べていたのだ。
四人は玄弥が作ってくれた千載一遇のチャンスを無駄にすまいと斬り掛かった。
―――が、