第56章 最終決戦
し「…はい。カナヲ、炭治郎くん、伊之助くん。あまり大きな怪我をしたら怒りますからね。」
その言葉に伊之助を含めた三人は大人しく頷く。
それを見届けると、今度は菫が口を開いた。
「竈門様、親分、終わったらとびきりのご馳走をお作り致します。必ず皆で食べましょう。ご武運を。」
その言葉を聞いた実弥は廊下に出ながら菫の頭をぽんと軽く叩いた。
実「俺も食うから取っておけェ。」
「え、」
義「……。」
炭「義勇さんも食べたいって匂いがします!」
伊「天ぷら山盛りにしろよ!!」
カ「……。」
最後尾にいたカナヲは気まずそうに菫から視線を外してそそくさと廊下へ出て行った。
「……?」
蝶屋敷を拠点に生活していた二人は知り合いであったが、どちらも用なく話し掛ける性格でなかった為にプライベートではちらりとも話した事がなかった。
し「では終わったら皆で煉獄さんのお屋敷にお邪魔しましょう。もちろん、カナヲも。」
カ「……はい…。」
逃げられなかったカナヲは少し小さな声で返事をした。
そうして勝利の後の約束をすると、一団は休まずふた手に別れたのだった。