第56章 最終決戦
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行「来るぞ!!!」
行(流紋岩・速征!!)
天(響斬無間!!)
杏(盛炎のうねり!!)
無(霞散の飛沫!!)
やはり黒死牟の呼吸を使った剣戟は非常に厄介であった。
それでも鬼殺隊最強の行冥を筆頭に柱は四人。
無一郎は左手を失い、杏寿郎と天元は胸と腹に傷を負っていたが、呼吸で止血していればまだまだ戦えるコンディションだった。
黒(やはり…何かが決定的に妙だ…。確かに素晴らしい肉体…剣技…だが、それに上乗せされている…力がある…。僅かに押されている…信じ難し…。だが、)
行「…ッ」
届かない筈の間合いに居る黒死牟の攻撃が、四人の頭や肩、至る所を割いた。
行(馬鹿なっ…、何をされた!?)
そう思った時、視界が晴れて黒死牟が持つ刀の形が顕になった。
天「…ここに来て最悪の展開だな。」
黒死牟の刀の刀身が倍程に伸びていたのだ。
杏(それをあの速さで振るうとは。)
無(化物……。)
黒死牟はそんな四人をじっと見つめる。