第56章 最終決戦
「………。」
菫は戦闘が終わったのを耳で確認するとそろそろと戸を開いた。
「蟲柱様、風柱様、竈門様、親分、栗花落様、ご無事で…。」
義「……。」
そう呟くと炭治郎は菫がいる事に目を見開いて驚き、伊之助は近寄って来て『暴れ足りねぇ!次行くぞ!!』と言った。
し「待ってください。」
呆然としていたしのぶだったが、伊之助の言葉を聞くと我に返って声を掛けた。
し「剣士でない菫さんが何故此処に居るのかは分かりませんが、これ以上激しい戦いの中へ連れて行くことには賛成出来ません。私が引き受けます。」
実弥は菫の名を聞くと振り返った。
見れば隠の格好をしているので顔は分からなかったが、しゃきっと立っているその姿を見れば蝶屋敷で見た固い彼女なのだと分かった。
実「あァ、ふらつかれたら邪魔になるからなァ。」
実弥は原因は分からなくとも、しのぶが目眩を起こしている事に気が付いていたのだ。
そして、それは共に戦った義勇も同じであった。
義「胡蝶は他の隊士を頼む。きっと被害が出る。」
しのぶは最後まで最前線で戦う事が出来ないのを悔しく思いながらも、眉尻を下げて微笑んだ。