第56章 最終決戦
し(不死川さんは何故か私を気に掛けてくれている。私が食われる作戦など聞いてくれないかもしれない。せっかく毒を体内に蓄積してきたのに…。)
しのぶは命の危険も顧みずに毒を摂取し続け、まさに捨て身の覚悟で童磨に一矢報いようとしていたのだ。
一方、カナエに想いを寄せていた実弥はしのぶの発言を聞いてからビキビキと額に青筋を増やしていた。
実「こいつが…、」
童磨は実弥を見ると笑みを消した。
実弥が今まで殺してきたどの柱よりもずば抜けて強いと感じたからだ。
童「…女の子だけでよかったんだけどな。」
実「てめェはもう喋んじゃねェ。」
そう言うと実弥は地を蹴って距離を詰めた。
―――
その頃、無一郎は行冥と共に無惨の肉繭の元へと向かっていた。
行「鬼舞辻の居場所が近い!油断するな!」
無「はい!」
しかしその時―、
―――ドンッ
無「…っ」
無一郎は横から伸びてきた壁に勢い良く押されてしまった。