第56章 最終決戦
行「時透!」
無「俺に構わず進んで下さい!!」
そう告げると衝撃に備える。
その時、『こっちだ!!』『うむ!!』という仲間の声が聞こえた。
―――ドゴッ
無一郎は石の壁にぶつかりながらも床にタンッと降り立ち声の主を探した。
杏「時透!大丈夫か!!」
天「お前も来たのか、気ぃ引き締めろよ。…壱だ。」
ハッとして天元が遣る視線の先を見る。
黒「三人とも…柱か…。」
其処には異質な気配を身に纏う上弦の壱、黒死牟が佇んでいた。
黒死牟は無一郎を見るとピクリと体を揺らす。
黒「お前は…、何やら…懐かしい…気配だ…。」
次いで天元に視線を移す。
黒「素晴らしい…体だ…。恐らくは全盛期…。」
そして最後に杏寿郎を見て目を見開いた。
黒「……ああ、煉獄家の…者か…。まだ全盛期を迎えていないが…こちらも素晴らしい…。共に戦った煉獄殿より…随分と優れている…。」
杏「………。」
無「煉獄家と共に…って…、」
天「そんなんアリかよ…。」
三人はその言葉から黒死牟が元鬼殺隊士で、更に呼吸も扱えるのだと悟ったのだった。