第56章 最終決戦
し「…………。」
しのぶは振り返ってその武器を確認した。
し(武器は…、『その鬼の使う武器は、鋭い、対の扇。』…こいつが…姉さんを殺した鬼…。)
しのぶは長い間探していた仇の吐きそうになる持論を聞くと表情を険しくさせた。
し「正気とは思えませんね。貴方頭大丈夫ですか?本当に吐き気がする。」
童「えーっ」
童磨は相変わらず緊張感を欠いた反応をする。
そして、『あっ、そうか。』と納得した顔をすると、今度は優しく微笑んだ。
童「可哀想に。何かつらいことなあったんだね…。聞いてあげよう、話してごらん。」
人を、姉を殺しておいて、そんな事を言った。
しのぶは怒りに顔を歪め、ぐっと自身の羽織りを掴む。
し「つらいも何もあるものか…!私の姉を殺したのはお前だな?この羽織に見覚えはないか!」
怒気篭もるその声が響いた時、部屋の戸がバンッと開いた。
し「………。」
現れたのは同じくカナエを特別大事に想っていた不死川実弥だった。
しのぶは実弥を見て『しまった。』と思った。