第56章 最終決戦
千「ち、父上…?」
槇「杏寿郎は大丈夫だ。あの子は…俺とは違う。俺はお館様の警護に向かう。あの方は護衛を付けていない筈だ。」
そう言いながら槇寿郎は随分と長い間触れてもいなかった日輪刀を手にし、玄関へ向かった。
そんな槇寿郎を追って眉尻下げた千寿郎が寄って来る。
槇「……千寿郎。留守は任せた。」
槇寿郎はそうしっかりと言うと、千寿郎の頭にそっと手を乗せてからダッと駆け出した。
千「父上ッ!!」
千寿郎は大きな屋敷に一人取り残され、心細く思いながら母の仏壇の前に座った。
千(母上…母上、大きな戦いが始まりました。どうか兄上と父上を守ってください…。)
―――
一方、杏寿郎は一般隊士を助けながら無惨や上弦の気配を探って無惨のテリトリー、無限城の中を駆け回っていた。