第56章 最終決戦
―――
一方、杏寿郎の屋敷にて産屋敷邸襲撃の報せを聞いた要は煉獄家へと向かっていた。
素直で忠誠心の強い要が主人の命令無く行動するのは初めてであった。
千「要…!?」
鬼殺隊士と同じ生活リズムで過ごしている千寿郎は庭で鍛錬をしていた。
要は久し振りに優しい千寿郎に会えたことを喜ぶ前に、縁側に降り立つと槇寿郎の部屋を見ながらパッと嘴を開いた。
要「産屋敷邸ガ襲撃サレタッ!!!」
それを聞いた千寿郎と部屋の中で布団に寝そべっていた槇寿郎が目を見開く。
要「杏寿郎様ハ招集ニ応ジ、他ノ隊士モ連レ去ラレタ!!最終決戦ガ始マッタ!!鬼舞辻無惨ガ動キ出シタ!!!」
槇寿郎は動揺しながら格子戸を開いて縁側に出た。
槇「杏寿郎は…、お館様は今…、」
要「全テ不明!!隊士達ハ血鬼術デ消エテシマッタ!!!」
千「そんな…、血鬼術って…一体どこへ、」
―――ガタンッ
槇寿郎は戸にぶつかりながら自室に駆け戻って着替え始めた。