第54章 嫉妬
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二人が屋敷に戻ると善逸が駆け寄って来た。
杏寿郎の行動から菫の身を案じていたからだ。
善「菫さん…よかった…。」
菫は継子にも心配を掛けてしまっていた事を知って、申し訳なさそうな顔をしながら頭を下げた。
「ご心配をお掛けしてしまい申し訳ございませんでした。」
菫の表情と音が普段のそれに戻ってる事を確認出来た善逸はほっとしたように眉尻を下げた。
善「いえ、気にしないで下さい。」
杏寿郎はそんな二人のやり取りを見つめた後、善逸の頭をぽんぽんと優しく撫でる。
善「煉獄さん…。」
杏「俺からも礼を言わせてくれ!そして鍛錬を投げ出してすまなかった!!」
それに善逸が『いえ、もう少し休みましょう。』と言っていると、杏寿郎はハッとして菫を見る。