第54章 嫉妬
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夜が明け昼近くになると、炭治郎は『杏寿郎と菫に会いたかった』と言う蜜璃も連れて帰って来た。
そして禰豆子が陽の光を克服した事を伝えた。
「禰豆子様は本当に鬼なのでしょうか。」
漸く生活する時間が重なった菫は、庭で禰豆子と一緒に花を愛でていた。
蜜璃はそんな二人をにこにことしながら見つめている。
禰「きれい。かわいい、ね。」
「はい。こちらは友禅菊といいます。ですが禰豆子様も負けず劣らず可愛らしいですよ。」
蜜「太陽の下で見る禰豆子ちゃんは可愛いし、菫さんの柔らかい笑顔も素敵だわ…!」
「恋柱様も相変わらず可愛らしいですよ。」
そうして菫が禰豆子や蜜璃と戯れ始めると屋敷が一気に華やいだ。
善逸は幸せ過多で倒れている。
杏「…竈門少年。君はもう休んだ方が良い。気が昂って眠れないかも知れないが、妹はきちんと見ているので体だけでも横にしなさい。」
炭「……はい…。」
縁側で杏寿郎と話していた炭治郎はちらりと庭に居る禰豆子を見たが、菫達にバッと頭を下げると自室へ向かった。